【カヌースプリント@骨盤の歪みと肘の痛み】

肘と手首が痛いと訴えてきた #カヌースプリント のジュニアアスリート。
肘と手首が痛いから 当然そこをみて欲しいと本人は思うだろう。
もちろんみるんだけど じゃあそこが治す箇所かというと 必ずしもそうとは限らない。
結論をいうと今回のケースは 『骨盤』の方から治さなければいけなかった。
去年の夏、小学生と高校生の カヌーの全国大会に関わらせてもらって カヌーが身近な存在になったタイミングで この彼の来院があった。
肘や手首に痛みがあるという訴えには 必ず原因があるはずだ。 『原因無くして痛み無し』という前提のもと 彼のカラダの何が痛みを出しているか まずはそこからチェックする必要があった。
実はこの記事の話は去年の8月のこと。
もう10ヶ月にもなる彼との付き合いは 今年の7月に奈良県で行われる予定だった 『JOCジュニアオリンピックカップ 令和2年度全国中学生カヌー大会』を見据えて 一年も前から始まっていた。
残念ながら新型コロナの影響で 大会は中止になってしまった。
けれど彼のカヌー人生はまだまだ続く。 今までやってきたケアやコンディショニングも トレーニングもこれからも生きていく。
さて どうして肘と手首の痛みの原因が 骨盤にあったのかという解説だけれど まずは写真を見て欲しい。
カヌーはこの写真のように いわゆる長座で行うスポーツだ。
細かい動作までは解説できないけど パドルを漕ぐ動作は腕だけの動作じゃない。 下肢〜股関節〜骨盤〜上半身の連動があって 腕の動きに繋がっていく。
だから肘と手首が痛いと言われた時 外傷性のものでないのだとしたら 漕ぐ動作のどこかに不具合があると踏んだんだ。
それが今回は骨盤だっただけで 骨盤の歪みが全て悪いとは言わないので そこは注意して続きを読んでね。
腕だけで漕ぐようなパフォーマンスだったとしたら ちゃんと全身を使えるようになれば良い。 そう考えてまずは座り方をチェックした。
すると写真の上半分のように 骨盤を立てて座れなかった。
無理やり座らせようとすると 膝を曲げないといけないくらいだった。
それはカヌーにとってウィークポイントで コーチングする専門の方にも確認を取った。
彼にとって骨盤を立てて座れないことが 肘や手首に負担をかける漕ぎ方をさせてたんだね。
こういった部分まで指摘・指導するのは 現場の監督さんやコーチの方にはちょっと難しい。 「骨盤を立てろ!」とは言えても 「なんで立てられないのか?」 「どうしたら立てられるようになるのか?」 という答えを教えるにはメディカルの視点が必要だ。
だからこそ僕らのような職種の人間がいる。
写真の下半分のように骨盤をコントロールして 座ることができるようになった。 それから肘と手首の痛みを訴えることは 今のところ彼の口からは1度も聞かない。
しょっちゅう同じところが痛かったり 同じようなケガを繰り返すジュニアアスリートは もしかしたら彼のような潜在的な歪みを カラダのどこかに持ってるせいで イメージとは違うパフォーマンスをしているかもしれない。
指導者・保護者の方にも こういった視点と考え方があることを知って欲しい。
そうすることが選手にメリットなんだと思ってもらえれば もしかしたら力になれることがあるかもしれないので ピンと来た方はKCへ1度相談してみてね。
新型コロナの影響は今後も続くだろうけど そんな中でもジュニアアスリートのために 何かできないかとKCでは模索してるよ。